[151014道新]市、小中一貫校検討 中1ギャップの解消期待

平成27年10月14日水曜日 28面より引用
「小中学校9年間の義務教育を一貫して行う小中一貫校の「義務教育学校」について、札幌市教委は2016、17年度にモデル校を指定して9年間を見通した教育計画を作成する〜」

目的は、「難易度が増して学習につまずいたり、人間関係や授業形態が変わることで学校に行きにくくなる「中1ギャップ」を解消すること」にあるようです。

 

現場目線から言わせて頂くと、中1ギャップは顕著に現れます。そして中1で流れに乗れないと、成長著しい時期の子どもたちは差が開き続け、中3になる頃には志望校などの進路選択の幅に大きな差が出てしまうのです。私はギャップを解消するための一つの方法として、機会を均等に与え、公平に評価し、競争させることが大切だと思っています。

 

今の小学生の成績評価は、基準があいまいすぎます。勉強を頑張っている子どもにとって納得できるものではなく、先生の気分次第でいくらでも結果が変わってしまいます。いわゆる「学級委員長タイプ」が先生に気に入られ、高評価を得やすいのです。テストの得点など客観的に評価できる指標を用いて、何を頑張ればよいのか努力目標をわかりやすく示すべきだと思います。

また小学校の内は、優劣をつけるよりも協調性を重視する風潮が強いように感じますが、ある程度の競争は必要です。最近の傾向として、中学に入り定期テストや高校入試で優劣がついた時に、耐性がないお子さんが増えているのです。「まぁこんなもんでいいか。」「入れる高校でいいや。」という、踏ん張りがきかないパターンです。

私がそれを補うために生徒に取っている行動の基本は、「よく頑張った子は、努力や結果に対してうんと褒める」「それを周りの生徒にも態度で伝え、頑張ろうと思わせる」です。頑張ったら報われるという道徳観が身につくと、やがて競争力につながっていきます。出来ないからといって叱る必要もなければ、強制的に課題を課す必要もないのです。子どもとは、親や教師から認めてもらいたいと思っているものです。

お子さんの成長に合わせて、適切に課題を与えて「頑張らないと!」と思わせること。出来たら「嬉しい!」、出来なかったら「悔しい…」と思わせること。こういった喜怒哀楽がないまま義務で勉強を続けてきたお子さんほど、中1のギャップに苦しんでいるように感じています。

 

小中一貫は取り組みとしては面白いのかも知れませんが、逆に考えると中学に上がる時の一区切れがなくなってしまう、ともいえます。現状の札幌の教育大附属の小中一貫や、中高一貫の私立学校を見ていると、区切れがないということがそのまま差が開き続けるということにつながっているようにも思えます。どうしても学力中位層~上位層に授業を合わせてしまうので、下位層が逆転するだけの機会がなかなか与えられないのです。中1ギャップが慢性的に続く状態に近いと思います。おそらく小中一貫にあたっては数学・英語は達成度別のクラスを設けるはずですが、それだけでは十分な救済措置にはなりません。

学校の制度としての答えはわかりませんが、教育に携わるものの一人として、中1ギャップの解消のお役に立ちたいものです。

 

[指導員 松浦]

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